歯周病

当院の歯周病治療

当院の歯周病治療

数ある歯科治療の中で歯周病の治療は患者さんの協力度がその成功に大きく関わるものの一つです。当院では、患者さんが毎日行うブラッシングの指導と、使用する歯ブラシの選択にこだわります。歯周病は患者さんがご自身で治し、予防していくものであり歯科医院では、ブラッシングのしやすい口腔内環境作りやその手助けを行なっているという感覚がとても大切だと考えています。

歯周病について

歯周病について

歯周病とは

歯周病は歯の根っこ周囲に細菌が感染することによって引き起こされる感染症です。歯ではなく、その周りにある歯肉の痛みや、腫れ、出血、痛み等の症状の出現、歯槽骨の破壊、最終的に抜歯に至る病気です。それらの症状を総じて歯周病と呼んでいます。

歯槽膿漏とは

歯周病の進行の過程で起きる一症状である、歯肉からの排膿を歯槽膿漏と呼んでいました。以前はよく使われていた表現ですが、現在ではそれも含め歯周病と呼ぶようになったため歯周病と歯槽膿漏は同じ意味です。

歯肉炎とは

 歯肉の下にある歯槽骨にまで炎症が拡大した症状であるのが歯周病と呼ぶのに対して、歯肉炎とは歯肉にのみ炎症が起きている状態です。ブラッシング時の出血や、歯肉の軽度な痛みや腫れが主な症状で、改善も歯周病に比べて簡単です。

歯周病になる原因

歯周病の原因はプラーク(歯垢)です。プラーク1mg中には1〜2億個の細菌が含まれるといいます。歯と歯肉の間にある歯肉溝という、溝の内部に入り込んだ細菌が産出する毒素により歯周組織の破壊が進行します。

歯周病で抜歯が必要なケース

歯周病が進行すると、歯の動揺が起きてきます。重度な場合は指で触れるだけでいろんな方向にグラグラと揺れます、揺れるたびに強い痛みがある、痛くて歯も磨けない、何もしなくても痛いなどの症状がある場合は抜歯をお勧めします。上記のような症状がなくても、レントゲン上で周囲の歯槽骨が大きく溶かされて、改善の可能性が乏しい場合も抜歯をお勧めする場合があります

歯を残すことの大切さ

抜歯行い、歯がなくなった後は、入れ歯やブリッジ、インプラントによる治療が必要になります。抜歯を免れればその必要がなくなるうえ、治療による他の歯への負担を避けることができます。一本でも多くの歯を抜歯から守ることが、口腔内の他の歯を守ることになります。

歯周病セルフチェック

  1. 口臭がする
  2. 血が出る
  3. 口の中に粘つきを感じる
  4. 歯がグラグラする
  5. ハグキが痛い、腫れている

歯茎の状態と歯周病

健康な歯ぐき

軽度歯周病

特徴

  1. 歯肉に腫れがなく、引き締まっている
  2. 光沢とハリがある
  3. 歯と歯の間の間にある三角形の領域(歯間乳頭)の形がシャープで尖っている

このような状態の方は、日々のブラッシングを継続していただき、定期的なメンテナンスやクリーニングを受けていただくことでこの状態を維持し続けるのが大切です。

軽度歯周病

健康な歯ぐき

特徴

  1. 歯や歯の周りの歯肉にプラークの付着が確認できる
  2. 口臭を指摘される、または自覚している
  3. 健康な状態の歯肉に比べると赤みが強く、歯間乳頭の形もやや丸っこく
  4. 全体としてハリがなく柔らかくなっている
  5. 歯ブラシの時に出血が起きやすい

治療内容

  • 歯科衛生士によるブラッシング、ブラッシング指導

歯ブラシでは除去できない歯石の除去(スケーリング)を歯科医院で行います。その後ご自宅での適切なセルフケアが達成、継続できれば1〜3ヶ月程度で早期の治療完了が期待できます。

中等度歯周病

中等度歯周病

特徴

  1. 全体的に歯肉が柔らかそうな印象
  2. 口臭を指摘される、または自覚している
  3. 歯間乳頭が潰れ、低くなっているため歯の根っこが一部露出しているのが確認できる
  4. 歯の周りの歯肉の腫れが目立つ
  5. プラークの付着、黒く着色した歯石が肉眼で確認できる

治療内容

  • 歯科衛生士によるブラッシング、ブラッシング指導。
  • 歯ブラシでは除去できない歯石の除去(スケーリング)

その後再評価を行い、依然として歯周ポケットや歯肉からの出血の改善の乏しい部位にはフラップ手術のような外科的な歯石除去を行います。3〜6ヶ月程度の治療期間が必要になります。

重度歯周病

特徴

  1. 歯肉に触れるだけで出血することがある、すでに排膿している
  2. 口臭を指摘される、または自覚している
  3. 歯肉の腫れが強いが、歯肉の下りが著しいため歯の根っこの露出しているのが目立つ
  4. プラークの付着、黒く着色した歯石が肉眼で確認できる
  5. 自分でも歯の動揺がわかる、歯が動いて痛くて食事が辛いまたは何もしなくても歯肉が痛い。

治療内容

  • 残した方が良い歯と抜いた方が良い歯の選別が必要になってきます
  • 痛みの原因になっている歯や、近い将来隣り合う歯に悪影響を与える可能性のある歯の抜歯を行う場合があります。

今後残すべき歯に焦点を当てて、それに対する歯石の除去、セルフケアの指導を行います。基本的な歯周治療ののちに歯周外科処置、抜歯を行なった場合は適切な噛み合わせを維持するための治療を並行して行う必要があります。治療期間は1年〜2年以上かかる可能性があります。

歯周病の治療方法

歯周病の治療方法

スケーリング

歯ブラシでは除去不可能な歯石を切れ味の良い手用の器具や超音波の振動を利用した器具を用いて除去する行為です。主に歯科衛生士により施行されますが、歯周病治療において患者さんによるセルフケアの次に大切なのが衛生士による定期的なスケーリングです。

スケーリングで歯石を除去する重要性

歯石を顕微鏡で拡大して観察すると、表面に無数の穴が空いており、その内部には無数の歯周病原因菌が生息している細菌の巣窟とも言えます。それが付着している限り歯周病は治癒しません。徹底的な歯石除去を行い、正しいブラッシングを継続していても、残念ながら歯石は新たに付着していきます。それゆえ歯周病の治療、健康な歯肉を維持するためにスケーリングは定期的に行う必要があります。

歯周外科治療(フラップ手術)

フラップ手術とは

深い歯周ポケットの内部に付着した歯石を除去するために、歯肉を外科的に開き直視下で丁寧に歯石の除去を行う方法です。

フラップ手術を採用する基準

ブラッシングによるセルフケアの徹底、全額的なスケーリング、SRPを行なったにもかかわらずそれでも4mm以上の歯周ポケットが残っている場合または、歯石の存在が確認できるがその除去が困難な場合フラップ手術を行います。

フラップ手術の重要性

歯周ポケット内部の歯石除去は炎症のある歯肉の状態や、レントゲン写真を手掛かりに歯石を除去していきますが、ポケットの内部の状態は手指感覚を頼りに作業を行う盲目的にしか把握できません。熟練した歯科衛生士にも除去不可能な歯石は存在します。それを除去するためにフラップ手術はとても有効な方法と言えます。また、歯周病原因は嫌気性菌という種類で、新鮮な空気を嫌う性質があります。歯肉を切開し新鮮な空気をポケット内に触れさせることで、ポケット内の嫌気性菌が生育しにくい環境を一時的に作ることで多くの細菌を死滅させる効果もあると言われています。

フラップ手術の流れ

  1. 深いポケットの存在する歯肉周囲に局所麻酔を行います。
  2. 麻酔がしっかりと効き、痛みのない状態で歯肉の切開、剥離を行い歯石の付着した歯の根っこを露出させます。
  3. 汚染した部位を直視した状態で歯石や炎症を起こしている不健全な組織を丁寧に除去していきます。
  4. その後、新たに歯石が付着しにくいように、歯の根っこを研磨、滑沢な状態に整えます。
  5. 開いた歯肉を丁寧に戻し、縫合を行えばフラップ手術は終了です。

歯周病と全身疾患

歯周病と全身疾患

歯周病およびその原因である歯周病原因細菌が、糖尿病や心疾患、肺炎などの全身疾患と関連があることが分かっています。歯周病の治療、予防は全身の健康にとても大切です。

歯周病と口臭

口臭の原因

  1. 歯周病
  2. 消化器系、呼吸器系の疾患を含む全身疾患によるもの
  3. においも強い食べ物による、食餌性のもの
  4. 起床時、空腹時に発生する生理的なもの

上記のうち歯周病が原因であるケースがとても多く、歯周病原細菌が産出する硫化水素、メチルメルカプタンという物質が臭いの正体であるといいます。歯周病が進行している口腔内は、これらの物質が大量に生産されるため強い口臭を歯することとなります。

歯周病の予防

歯周病の予防

歯科医院での歯周病予防

一番大切なのは定期的なメンテナンスによる磨き残し、歯石のチェックとプラーク、歯石の除去です。プラークの溜まり場になっている適合不良な被せ物がないかも確認します、それが歯肉の炎症の原因となっている場合は適合の良いものに作り変える場合もあります。歯周病予防において歯科医院で行う行為は、患者様ご自身が歯ブラシにより容易にプラーク除去が行えるように口腔内環境を整備することです。

自宅での歯周病予防

徹底的なブラッシングです。口腔内のすべての歯のすべての表面に歯ブラシを当てるようなブラッシングが効率よくできるようになるのが目標だと患者様には説明を行うようにしています。補助的にデンタルフロスや洗口剤の使用も有効ですが、まずは歯ブラシで磨けるところはすべて歯ブラシで磨ききるのがとても大切です。その日についた汚れをその日のうちに落としきるのを習慣化しましょう。

歯周病精密検査の流れ

歯周病精密検査の流れ

歯周病検査の流れ

  1. カウンセリング お悩みの症状についてお話を伺います。ご自身が一番気になることや心配なことの解決がとても大切です。その上で治療に必要な情報、アレルギーの有無など全身状態の把握のための問診を行います。
  2. 口腔内写真、レントゲン撮影 現在の口腔内の状態の把握、記録、患者様との情報共有のための口腔内写真撮影。そして、歯周病の特徴である歯槽骨の溶けている状態を評価するためのレントゲン撮影を行います。
  3. プロービング、動揺度の評価 歯と歯肉の間には歯周ポケットと呼ばれる隙間が存在します。その深さが深いほど歯周病は重度に進行しています。健常であれば1〜3mm 4mm以上ならば歯周病と判断できます。

歯周病治療の流れ

  1. まず歯周病についての説明をしっかりと行います。 歯周病の治療には患者さんの協力が必要不可欠と考えています。そのご理解をいただくところが治療のスタートです
  2. ブラッシング、ブラッシング指導 歯の表面についている、プラークの除去を歯ブラシにて行います。歯ブラシで取れる汚れを徹底的に除去します。それがご自宅でも毎日行えるようなブラッシング方法を指導します。なぜなら、正しいブラッシングが行えるようになれば、きちんと治癒するケースも多数存在するからです。
  3. スケーリング、SRP  歯の表面に固くへばりついた歯石や歯周ポケットの深いところにある歯石を超音波のスケーラーや、手用スケーラーを使用して除去していきます。処置の際の痛みに配慮して局所麻酔下で処置を行う場合があります。
  4. 再評価  歯周病の原因である口腔内の歯石の徹底除去、適切なブラッシングによって清潔な状態が保たれていると、歯周病による炎症は改善します。治療開始前の状態と比較するために、再検査を行います。改善が乏しい場合は、そこから歯周外科処置への移行、汚れが溜まりやすくなっている部位の適合の良くない被せ物のやりかえを行う場合があります。

タブチ歯科クリニックTabuchi dental Clinic

海南市の歯医者|タブチ歯科クリニック

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